聖なる次元へ~様々な死生観を巡って~(全7本)
●死んだらどうなるのか?
人は必ず死を迎えます。いつの時代においても、どこの地域においても、すべての人たちは死について直面し、大きな関心を抱いていました。 古今東西、人は死とどのように向き合ってきたのでしょうか?最大の謎は人は死んだらどうなるのか?哲学者の伊佐敷隆弘氏は、死んだらどうなるか?について6つのパターンが考えられると指摘しています。
1.他の人間や動物に生まれ変わる
2.別の世界で永遠に生き続ける
3.すぐそばで子孫を見守る
4.子孫の命の中で生き続ける
5.自然の中に還る
6.完全に消滅する
※「死んだらどうなるのか?死生観をめぐる6つの哲学」伊佐敷隆弘・著(亜紀書房)より
●メメント・モリ(死を想え)
中世ヨーロッパでペストが大流行し膨大な死者がでた時、王や貴族であろうと聖職者や農民、乞食であろうと必ず死は平等に訪れるものとして、骸骨が躍る「死の舞踏」の図像が多く描かれました。そして広く口にされたのが「メメント・モリ(MEMENTO MORI)」という言葉です。その意味は「死を想え」、この言葉には、死に敬意を払い、受け入れる想いが込められているのです。
●人は、生まれ、ほんの一瞬生き、そして死ぬんだ。ずっとそうだ。byスティーブ・ジョブズ
上記はAppleの創業者スティーブ・ジョブズの有名な言葉です。誰も避けては通れない死について多くの先人たちが想いを巡らせてきました。「死」を考えることは同時に「生」を考えることにつながります。与えられた命をよりよく生きることは、安らかな死を迎えることにつながるかもしれません。
●聖なる次元へ
51コラボではWithコロナの時代となった今、古今東西の「死生観」をテーマに、7人の講師を迎え、インド、古代エジプト、神道、ケルト、チベット密教、タオ、アマゾン先住民という切り口で、ほとんど知られていない死生観や秘術も含めて「生と死の思想」について全7回のインターネットオンライン配信による講座を配信いたします。
インターネットオンライン配信講座(全7回)
The Secret of Afterlife
聖なる次元へ
~様々な死生観をめぐって~
<講座の内容>
1.インドの死生観・・・西川眞知子(60分)
母なるガンガーで死ぬ。ガンガーとはガンジス川のこと。生と死が混在しパワーにあふれるインド。文明発祥の地のひとつであるインドでは、死をどのように捉えているのでしょうか?インドに何度も渡り、日本でアーユルヴェーダを普及させてきた第一人者の西川眞知子氏がそのインドの死生観について語ります。死ぬと火葬されその灰はガンジス川に流され、インドには墓がないといいます。この世に与えられた肉体に対する理解が違い、肉体は朽ちても生まれ変わり、まるで新しい衣類に着替えるかのような輪廻転生の観念が色濃く反映されています。輪廻の輪から抜け出し解脱へと至るインドの死生観とは?それをわかりやすく西川眞知子氏が語ります。
<西川眞知子プロフィール>
体が弱かった幼少期に多くの本を読み、そこでインドの古典に出会ったことをきっかけに、人間の存在そのものや、精神世界に興味を持つようになる。大学時代にはインド、アメリカなどを訪れてヨガや自然療法を知る。アメリカで活躍したインド人サッチダーナンダ師をはじめ、著名なヨガ指導者に師事し、大学時代からヨガの指導者となる。アーユルヴェーダ体質別健康美容法と独自な簡単生活習慣改善プログラムを構築し、講演、セミナーおよび健康美容のコンサルティングや商品開発を数多く手掛ける。アーユルヴェーダとヨガを専門としながら、アロマテラピーをはじめとした五感療法や自然療法など守備範囲は広範囲にわたる。共著および著書に「生命の科学アーユルヴェーダ」(農文協)「幸せを呼ぶインドの神様事典」「これ一冊できちんとわかるアーユルヴェーダ」(マイナビ出版)など著書30冊以上。
【西川眞知子HP:http:www//jnhc.co.jp】
2.古代エジプトの死生観~エジプト死者の書~・・・サラハ・アミン(75分)
古代エジプトというと何を連想するでしょうか?ピラミッド、スフィンクス、クレオパトラ、ミイラ・・・。古代エジプトをみるときに、その根柢にある古代エジプトの死生観を抜きに語ることはできないでしょう。死後の復活を願うための死者のためのマニュアルであった「エジプト死者の書」について、見ていきます。語るのは、サラハ・アミン氏。エジプトのトップ観光ガイドとして活躍後、エジプトと日本の架け橋になるべく来日し旅行会社を設立し経営しています。サラハ氏は流暢な日本語を話しますが、独学で学んだそうです。きっかけは日本のドラマ「おしん」だったとか。多少の聞き苦しさはありますが、現地エジプト人の感覚で語る古代エジプトの死生観をぜひ感じてみてください。
<サラハ・アミン プロフィール>
エジプト・ルクソール出身。2005年カイロ大学卒業後、国家資格であるガイド免許取得。日本の大手旅行会社の名物ガイドとして、のべ1000人以上のお客様をエジプトにご案内後、2015年ビジネスビザで来日。日本法人として合同会社Treasure of the Earthを設立。2018年にはエジプト法人としてTreasure of Egypt Travelを設立。お客様に一期一会のとっておきのエジプトをご案内。日本とエジプトの架け橋として活躍中。
【トレジャー・オブ・ジ・アースHP:https://treasure-travel.com/】
3.チベット密教の死生観~チベット死者の書~・・・牧野宗永(97分)
ネパールのチベット密教寺院で長く修行、五体投地を10万回、金剛薩埵の瞑想を10万回等、ハードな前行を行い、リンポチェ(高僧)よりチベット密教の奥義を伝授され、その後、仏教コミュニケーターとして活躍する牧野宗永氏。輪廻転生の死生観が色濃く反映され、死にゆくものへと語りかけるチベット死者の書(パルト・トゥドル)について語ります。それによると、人は地(肉体)→水(体液)→火(体温)→風(呼吸)という四大融解のプロセスを経て死を迎えると言います。そして意成身という状態になり中有の世界を経験するそうです。輪廻転生の死生観が強いチベット密教では、六道の世界(地獄、餓鬼、畜生、人間、阿修羅、天)に転生、チベット密教を修行した牧野氏がその世界を詳しく説明をいたします。
<牧野宗永 プロフィール>
大学の仏教学科卒業後、ネパールのカトマンドゥへ留学し、約11年間チベット仏教僧院に滞在する。五体投地10万回など、過酷な前行を2回成就させ、チベット仏教ニンマ派の伝える密教の教えであるゾクチェンの伝授を受ける。そのほか、チベット仏教ニンマ派の高僧たちから多くの貴重な伝授、灌頂を授かる。帰国後、チベット仏教の叡智を美術や教育を通して伝える「仏教文化コミュニケーター」として活動している。
4.神道の死生観~弓前文書~・・・荻原継男(75分)
講師の萩原継男氏は、東国三社として重要な神社のひとつである鹿島神宮、その神職である禰宜(ねぎ)を33年間勤めました。萩原氏の家系は、代々続く鹿島神宮の社家であり三十一代目となります。その萩原氏が神道における人間観である一霊四魂の話から、吉川神道、伊勢神道(中西直方)、本居宣長、平田篤胤、柳田国男といった思想家の死生観を概観します。そして、飛鳥時代に香取神宮の神職であった弓前値名(ゆまあてな)が、2300年くらい前にアメノコヤネから下された神界からのメッセージを口伝により伝えられてきたものをまとめたという古事記の原本とも推測される「弓前文書」(ゆまもんじょ)をベースに、その死生観を紹介いたします。
<萩原継男 プロフィール>
元鹿島神宮・禰宜
鹿島神宮の社家「家枝神(けしがみ)」職 三十一代目。昭和17(1942)年茨城県鹿嶋市に生まれる。早稲田大学第一政経学部中退。試験検定により明階取得。元鹿島神宮禰宜。「家枝神」とは、平安時代、京都より勅命で鹿島神宮宮司として赴任した大中臣片岡大宮司家(初代清持)から枝分れした家の意。
5.ケルトの死生観・・・武部好伸(84分)
ケルトとは?皆様はケルトと聞いてどこの地域を思い浮かべますか?ケルトとは古代ヨーロッパの民族集団で、ケルト語を話す言語文化的な一群を指し、文字を持たない文化であったので長く幻の民とされてきました。元読売新聞大阪支社の記者で、ケルトに見せられたエッセイストの武部好伸氏は、現場主義をモットーにこれまでに20数か国のヨーロッパを訪れています。
ケルトは、渦巻文様や螺旋文様、ハロウィーン(サウィン)、ハイクロスに代表されるように、生と死は密着しており循環型の死生観を形成していました。ヨーロッパ各地に残るケルトの痕跡を取材してきた武部氏が豊富な資料により、ケルトの全体像を紹介しながら、死をどうとらえていたかを解説いたします。(※「ケルト、癒しと再生の森」の映像と同じものとなります。)
<武部好伸 プロフィール>
エッセイスト。1954年、大阪市生まれ。大阪大学文学部美学科卒。元読売新聞大阪本社記者(1995年に依願退職)。日本ペンクラブ会員、関西大学社会学部非常勤講師(メディア専攻)。映画、ケルト文化、洋酒、大阪をテーマにユニークな執筆活動を展開中。新聞、雑誌、ネット媒体への寄稿、講演、テレビ・ラジオ出演など積極的に活動している。日本経済新聞の映画評を2006年1月から2019年3月まで担当。主な著書に、『スコットランド「ケルト」紀行~ヘブリディーズ諸島を歩く』、『中央ヨーロッパ「ケルト」紀行~古代遺跡を歩く』、『アイルランド「ケルト」紀行~エリンの地を歩く』など「ケルト」紀行シリーズ全10巻(彩流社)、『スコットランド「ケルト」の誘惑~幻の民ピクト人を追って』(言視舎)、『ケルト映画紀行~名作の舞台を訪ねて』(論創社)、『ぜんぶ大阪の映画やねん』(平凡社)、『大阪「映画」事始め』(彩流社)、『シネマティーニ 銀幕のなかの洋酒たち』(淡交社)、『ウイスキー アンド シネマ 琥珀色の名脇役たち』(同)、『ウイスキー アンド シネマ 2 心も酔わせる名優たち』(同)など多数。最新刊が『ヨーロッパ古代「ケルト」の残照』(彩流社)
6.タオの死生観~関落陰~・・・御堂龍児(68分)
道教の秘術「関落陰」とは?台湾で道教を学び、日本で風水を紹介してきた御堂龍児氏によると『催眠術をかけたり特別な瞑想をせず、意識はそのままで、異次元の世界に入っていき、向こうの世界を垣間見たり、天国や地獄を散歩して個人の霊に会ったり、あるいは高次元の存在からインスピレーションをいただいてくるという方法』(※『現代を生き抜く「タオ」の教え』御堂龍児・著(講談社)より)であると言います。今回、御堂氏によって特別にその関落陰を実施。御堂氏の導きにより道教の神様である南極老人にアクセスし、私たち人間にとって永遠の謎である死とは何かをお聞きしました。そこで得たアドバイスは、意外なもの。関落陰という知られざる道教の秘術の一端を垣間見ることができる貴重な映像です。
<御堂龍児 プロフィール>
1980年以来、台湾において地理風水を正統的に伝える老師に入門し、伝統的な知識と実践的な技術を習得。1992年「地理風水 聖なる大地の力・光人社刊」出版1993年より、本の影響を受けて鑑定を始める。富士山と連動して動いている大地のエネルギーの入る場所が一番発展できる土地であると、紹介している。となり合わせに並ぶ土地でも、それぞれの土地の顔は違うのであると説明しながら、運気の上がる土地探し・お墓探し、良い人材の集まる会社・オフィスのレイアウトをアドバイスする。先代の山川哲学委員会を引き継いで、後進の育成にも力を注いでいる。1998年には、故船井幸雄氏の勧めで「光の中へ」を出版。「風水成功術」「風水開運術」「風水招福術」「風水パワースポット「タオのパワースポット」など著作も数多い。
【HP:http://www.mido-ryuji.com/】
7・アマゾン先住民の体験的死生観・・・吉野朝(108分)
フェアトレードビジネスで日本とブラジル・アマゾンを結ぶ活動をされている吉野朝氏。そのきっかけは幼少期、吉野氏の家族がアマゾンに移住したことにより、5年間、電気も水道もない密林の中で生活をしたことによります。医者に行くにはカヌーで3~4日もかかるという環境、現代日本では想像もつかない生活を経験した吉野氏。大いなるアマゾン川とそこに広がる広大な森林とともに生活をしている先住民。彼らの生活には大自然と共生する数々の知恵がありました。自然と一体化して生きている先住民たちは、どんな死生観を持っているのでしょうか?幼少期にアマゾンで生活を経験した吉野氏だからこそ語ることができる体験的死生観を語ります。
<吉野朝 プロフィール>
1987年 熊本県天草市生まれ。33歳。株式会社サポートジャングルクラブ代表取締役社長。幼少期において5年間、南米 アマゾン熱帯雨林パウイニ自治区で現地インディオと共に暮らす。2016年、同社代表就任。フェアトレードビジネスを通じて、自然環境保護・教育支援活動を行う。
【HP:https://copaiba.jp/】