新型コロナウイルス対策で見えた”西洋医学と東洋医学の統合"LIVE配信セミナー収録映像 中医師 周軍

~今回の新型コロナウイルス肺炎は、これまで人類において発見されていない新型冠状ウイルス(COVID-19)による急性呼吸器気道感染症で、非常に強い伝染性を持っています。感染後、病状の進行は急速で危険な状態に陥る患者が多く、現在西洋医学ではまだ効果的な抗ウイルス薬やワクチンがないため、予防と治療効果にあまり期待できず、重症化および死亡に至る症例も比較的高くなっています。

中医学では今回の新型コロナウイルス肺炎の予防と治療に対して独特の考え方や手段を持っています。これはこのような疫病に対して漢方医学が数千年の予防、治療の経験を有しているためです。これまでに蓄積された多くの処方が存在し、また、ここ数ヶ月間の中国でのウイルス対策実践における応用を加えたことによって、それはさらに確認、強化されました。

今回の新型コロナウイルス肺炎は、発熱、倦怠感、空咳、頭痛、のどの痛み、筋肉痛を主な臨床症状とし、時に鼻水、鼻づまりなどの上部呼吸器道の症状が見られます。重症になると、胸悶、食欲不振、吐き気、嘔吐、下痢、呼吸困難、さらにはショック、死亡が見られます。

これらの特徴から考えて、漢方医学では今回のウイルスは「寒湿毒邪」による「寒湿疫病」であると考えます。特に陽虚(ようきょ)に偏る体質の方、脾・肺気虚体質の方は感染しやすいでしょう。寒湿毒邪が人体に入ると、肺の宣発機能が失われ(肺気不宣)、脾胃(ひい)の不調を引き起こし(脾胃失調)、痰湿(たんしつ)が肺に詰まり(痰湿壅(よう)肺)、化熱して陰液を損傷(化熱傷陰)、気機(気の流れ)が鬱閉(うっぺい)するなど、さまざまな変化を引き起こします。

中医学による「未病先防」の理論に基づいて考えると、疫病予防において最も大切なことは「体質の改善、胃腸の調節、抵抗力の強化」で、このような健康な身体を作ることで疫病を遠ざけ、かかりにくくすることができると考えます。同時に要注意のが、体質を改善して免疫力を高めるのは必ず性質が苦寒の清熱解毒薬を服用することではなく、異なった体質の状況によって自分に適した製剤を選ぶはずです。~
 



タイトル:
新型コロナウイルス対策で見えた”西洋医学と東洋医学の統合"」

講師:中医師 周軍先生

収録日時:2020年7月12日(日)
収録時間:1時間7分


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周軍氏プロフィール
中医師
中医学には体質による8種の分類法があります。この体質タイプに合わせた養生方法というのが存在し。自分の体質を知り、健康を保つ秘訣を身につけることが大切です。伝統的な中医学の養生方法には、多数のアプローチが存在します。体質に合った食べ物や飲み物を摂取すること、季節ごとの方法を知ることなど。病気を予防し健康で若々しくあるために、さまざまな角度から心身のバランスを整えていきます。
中国北京市出身、1983年北京中医薬大学卒業、医師資格を取得、1983年北京朝陽中医病院内科医として勤務、1992年に来日し日本中医振興協会、自然健康センター、漢方専門薬局に勤務。日本中医薬研究会中医学講師、漢方推進会講師、北京中医大学日本校講師、本草薬膳学院講師を務める。2015年新日本漢方株式会社中医学講師。
日中伝統医学会理事
世界中医薬連合会生殖医学学会理事
世界中医薬連合会未病学会会員
論文発表、講演が多数。著書に論『後天の本』(北京中医雑誌)、『上手な癌との付き合い方』(文芸社出版)など

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