「チベット神秘の教えゾクチェン、「虹の身体」とは?」vol.3★箱寺孝彦

チベット神秘の教えゾクチェン「虹の身体」とは?vol.3

ヒマラヤを越える「密」の教え~1%の人が気づいている内なる叡智を開く鍵2~

講師:箱寺孝彦(vol.1・54分/vol.2・51分/vol.3・50分/vol.4・40分/vol.5・18分:2019年5月)
信仰と神秘の国チベット。チベットのジョカン寺やネパールのボダナートを訪れれば、たくさんの人々が五体投地し祈りを捧げています。五体投地やマントラには作法があります。そして、チベットで最も神秘の教えであるゾクチェン。なぞに包まれたこの瞑想の修行者は、なんと岩に手形や足形を残すのです。そして死が訪れたとき、身体が小さく縮み虹の身体を獲得るといわれています。この講座では、実際に五体投地、マントラ瞑想、ゾクチェン瞑想を体験できます。チベットに興味のある方や、ゾクチェンに興味のある方なら、グッとチベット瞑想の世界に近づくことができ、心が安らかになるでしょう。

・第1回配信に資料がありますのでダウンロードしてください。
・2019年5月に開催した連続セミナー【ヒマラヤを超える「密」の教え~1%の人が気づいている内なる叡智を開く鍵2】を収録したものです。

【ゾクチェンとは?】
『ゾクチェンは、主にチベット仏教のニンマ派(古派)と、チベット古来の宗教であるボン教に伝わる教えである。ゾクチェンという言葉はチベット語で「大いなる完成」を意味する「ゾクパ・チェンポ」の短縮形であり、人間を含むあらゆる生きもの(一切有情)の心性における本来の様態、またはあるがままで完成された姿のことを指している。 また、その姿を理解することにより、速やかに優れた覚醒の境地に至ることができるとされている。』(以上、ウィキペディアより引用)

著名な人類学者の中沢新一氏によると、ボン教はチベットに仏教が入ってくる以前の、とてつもなく古い時代から伝承されているチベット文明の叡智の流れをついている宗教であり、その中心的な教えの一つにゾクチェンがある。そして、ゾクチェンには、ボン教の流れのゾクチェンとチベット密教の流れがあり、両者の以前には「原ゾクチェン」なるものがあり、『ゾクチェンの教えは、地球以外の十三の銀河宇宙ですでに説かれていたもので、地球において説かれるようになったのも、気の遠くなるほど大昔のこと』という伝承があるそうです。『ゾクチェンは宇宙存在の革新へ、入り込んでいこうとする思想』と、中沢氏の著書「三万年の死の教え」(角川ソフィア文庫)に書かれている、神秘の叡智なのです。

【箱寺先生と一門一答】
①チベットに関心を持ったきっかけ
大学三年生のときに休学して、八カ月間アジア地域を放浪していました。チベットへの入域は通常厳しく制限されていましたが、たまたまそのとき外国人の入域が認められ、私も運よくチベット旅行をすることができました。その旅で出会った風土や人々から、強烈な印象をうけました。帰国してみると、日本ではチベットがブームになっていました。テレビ番組や書籍をとおしてチベット仏教の瞑想に強く惹かれるようになり、チベットに関心を持つようになりました。
②チベット密教(ボン教)の修行をすると決意するまでの心の経緯は?
子供の頃からモヤモヤした気持ちで心がいっぱいで、かたときも安らぎを感じたことがありませんでした。この気持ちを解消するために大学では哲学を勉強しましたが、私の期待には応えてくれませんでした。大学四年生のときに貪るようにチベット仏教の本を読み、実際に自分で修行してみたい気持ちを抑えきれなくなりました。それからは迷う気持ちはほとんどなく、修行すると固く決心しました。
③チベット密教(ボン教)の修行をする中で、意外だったこと。
「外国人にボン教が分かるか!」なんていう差別発言に出会うだろうと思っていたのですが、そんなことはまったくありませんでした。ボン教の勉強や修行に打ち込んでいると、ボン教のお坊さん方は「一生懸命ボン教を修行してくれて、ありがとう」とよく言ってくれます。ボン教のお坊さん方は伝統を守りながら、とてもオープンです。彼らの精神性には、いつも驚かされます。
④チベット密教(ボン教)を学んでみて、想定外な収穫はあった?
すべてが予想外でした。瞑想の効果や結果は本にも書かれていますが、実際に体験するのとでは雲泥の差があります。深い瞑想体験があらわれるたびに、「人知れず、世界にはこんなものが埋め込まれている」ということにびっくりすると同時に、それを掘り起こす方法論がチベットでは確立されていることに感心しました。
⑤チベット密教(ボン教)を教えている受講者の方々から、どんな反応がある?
「分かりやすい」という感想をいただくことが多いです。また、ボン教は日本人にはあまりなじみがありませんが、意外にもみなさんボン教をすんなりと受け入れてくれています。日本とボン教。きっとご縁があるのでしょうね。

箱寺孝彦 プロフィール

1969年神奈川県生まれ。瞑想家、翻訳家。自分自身の心の苦しみに向きあうために、1995年からネパールの首都カトマンズに渡航し、ボン教僧院で瞑想修行をはじめる。
ネパール、インド、チベットなどで修行する。ゾクチェンをはじめとするチベット瞑想の数々を習得したあと、チベット人の高僧から伝法の許可を得て帰国。
2009年から東京と大阪で「ちいさな瞑想教室」を主宰し、ゾクチェンの伝授をしている。著書『ゾクチェン瞑想修行記』、訳書『光明の入口-カルマを浄化する古代チベットの9瞑想』

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